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トレイルランニングの魅力と楽しさ
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ロードランニングとの違い
トレイルランニングは、自然のフィールドを舞台としたニューアウトドアスポーツです。
舗装されていない道を、自然の躍動を感じながら走ります。
この自然との一体感がトレイルランの一番の魅力といっていいでしょう。
トレイルランのコースは多くの場合起伏があるので、絶えず走るスピードは変化します。
そのため、キロ○分○○秒ペースといった設定は困難で、○○kmを○○分以内でというような目標設定もできません。
トレイルランニングは、その時々の状況に応じて自分にあったペース、スピードで走ります。結果(記録)よりも走っている時間そのものを楽しむ要素が高いといえます。
このように、ペースにとらわれない自由さ、自在性もトレイルランの特徴です。 -
四季の楽しみ
自然には四季折々の顔があります。その分トレイルランにも季節ごとに楽しさがあります。
夏~蒸し暑い市街地を脱出し、高原や山岳エリアに行くとそこは別世界。涼しい風を受け、トレイルランで汗を流す爽快感はたまりません。
初夏には高山植物が目を楽しませてくれます。
また、森林限界を越えた岩場の稜線などを走る“スカイトレイル”にも最高の季節です。
秋~山のふもとに秋風が吹く頃、山肌は鮮やかな赤や黄色で覆われます。どこまでも続く青い空とのコントラストは大きな感動を与えてくれるに違いありません。
冬~里山にもうっすらと雪が積もると、スノートレイルが楽しめます。「雪の上じゃ滑ってあぶないんじゃないの?」って思われるかもしれませんが、寒いときに積もった雪はさほど滑らず、トレイルシューズならOK。雪がクッションになって足に優しいし、とても快適です。キツネや野ウサギの足跡を追って走っていくと、野生動物になった錯覚を味わえるかも!?
春~雪解けが進み、木々の芽がふくらんでくると、待ちに待った本格的なトレイルランの季節到来です。新緑のトンネルの中をウグイスやカッコーの合唱を聴きながらのランは、至福のひとときです。
そよ風と戯れながら満開の花の下を走るのも最高にハッピーですね。 -
福島の山の魅力
福島県には日本百名山に名を連ねている7山(那須・三本槍岳含む)を始め、たくさんの素晴らしい山々があります。
吾妻山は、中腹から噴煙(蒸気)を噴出している一切経山や旧噴火口の“お鉢めぐり”ができる吾妻小富士など岩山の荒々しさがある一方、シャクナゲやイワカガミの群生地など花の見どころも多い山です。標高1,600mの浄土平までクルマで上がれることもあって、たくさんのハイカーで賑わいます。
安達太良山は、高村光太郎の「千恵子抄」で有名です。
智恵子は東京に空が無いといふ。
ほんとの空が見たいといふ。
~~略~~
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。
~~後略~~
このサイトの名称「ほんとの空」も、ここから拝借しました。
安達太良山は一見女性的な山容ですが、爆裂火口の「沼ノ平」の異次元的な迫力には圧倒されるでしょう。
ほんとの空の下で真夏のスカイトレイルも楽しめますよ。
ほかにもぜひ紹介したい素晴らしい山があります。
順次このサイトでお勧めのトレイルコースを紹介していく予定です。
トレイルランニングの「備えあれば憂いなし」!~より安全に楽しむためワンポイントアドバイス~
トレイルランニングは、雄大な大自然を舞台とするニューアウトドアスポーツです。街中の道路や競技場を駆けるランニングとは大きく異なります。
大自然の中に飛び出すには、充分な心構えと下準備が重要となります。
よって、突発的なアクシデントが起こり得る可能性があることを念頭に置きながら挑戦することが大切です。
[1]給水、補食、ルート(地図)は人任せにせずに。
ウェアやシューズ等の下準備はもちろんですが、アップダウンが続く山道では、想像以上に体力が消耗します。雄大な景色の中を駆け回っていると時間が経過するのが想像以上に早いものです。気持ちも高揚し、フッと気がついた時には、体がエネルギー切れや脱水症状を起こして、頭がボーっとしたり、全身に力が入らなくなるケースも考えられます。トレイルランに出かけるにあたり、自身が必要とする給水、補食の下準備は欠かせません。人任せにせず、各自でしっかり下準備。出かける山の地図を眺め、エスケープルートや水場の確認を行いながら、給水、補食の量をイメージするのもトレイルランの楽しみのひとつでもあります。
[2]思いやり&心の余裕を持ちながら。
同じ趣味を持った仲間同士でワイワイと大自然の中を駆けるのは楽しいものです。しかし、山を楽しんでいるのはトレイルランナーだけではありません。一般の登山者はもちろん、そこを住処とする動植物の存在があります。大自然そのものが生き物です。高山帯の泥炭層などは、何千年何万年も時間をかけて形成された生き物です。大自然の中を駆けるということは、動植物の住処に「おじゃまさせていただいている」といった謙虚な気持ちが大切です。また、仲間同士お互いに、ゴミを落としていないか、装備(ザックやシューズ)に不備がないか、疲労度合を確認し合うなどの「思いやり」も事故やケガを未然に防ぐ大切な行動です。
[3]五感(全身)をフル活用しながら。
「山の天気は変わりやすい!」と誰しもが耳にしたことがあることでしょう。雲の動き、風の音、気温の変化など、五感(全身)をフル活用し、大自然から発せられる声に耳を傾けながら、山を駆ける(トレイルラン)のも大切なことです。常に心に余裕を持ち、時間にゆとりをもった行動を心がけましょう。楽しみの幅を広げるためにも、突発的な天候の異変にも的確な判断で対応ができるよう、心も体もマイペース(腹八分目)を心がけながら大自然の中に入ることが大切です。
*実践・技術的な山の走り方は、講習会にて伝授いたします。
アドバイス(服装、装備)
服装
- インナー・シャツ
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アウトドア用のインナーは吸汗速乾性に優れたシャツが良いでしょう。
綿製のものは汗をかいた後に乾きにくく、時間とともに冷えた汗が体温を奪ってしまうので避けましょう。
草や木の枝などで引っ掻いて怪我をすることもあるので、暑さに我慢できるなら長袖が望ましいですね。日焼け防止の意味もあります。 - アウター
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休憩中や強風時、日陰を走る時など寒さを防ぐ際に必要です。
薄手のウインドブレーカーなど、防風性があるものが良いでしょう。
厚手のものでも構いませんが、バックに入れる際にかさばります。
トレイルランニングでは重ね着をして体温調節するのが基本です。 - ズボン
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シャツと同様、吸汗速乾性のものを選び、綿製のものは避けましょう。
動きやすいのであればジャージなどでも構いませんが、タイツだと走る際に邪魔になりませんし、疲労を軽減できるタイプもあるのでお勧めです。
これもシャツ同様暑さに我慢できるならばロングタイツのほうが良いでしょう。
ハーフパンツなどを重ねれば転倒時の保護となります。 - ソックス
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濡れるとマメや靴擦れになりやすいので、蒸れが少ないものが良いでしょう。
5本指ソックスはマメを防ぐ効果があります。 - シューズ
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トレイルランニング用のシューズが最適ですが、野原や林道なら底が厚いランニング用のシューズでも代用できます。ただし、レース用などの底の薄いシューズや、スニーカーは避けましょう。
トレッキングシューズも重くて走りづらいので避けたほうが良いでしょう。 - 帽子
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サンバイザーやキャップは、直射日光を避けるのはもちろん、雨天時の視界確保や木の枝から顔を守ってくれます。
直射日光を避けるためなら、タオル・バンダナを頭に巻くだけでも効果があります。 - サングラス
- 直射日光を避ける他、虫や枝などから目を守る目的もあります。
- 手袋
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転倒時の手の保護や木、岩をつかんだりする際あったほうが良いでしょう。
もちろん防寒具としても必要です。
装備
- バックパック
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荷物の量に適した大きさ(大きすぎると荷物がバックの中で暴れる)でウエストベルトとチェストベルトがあるものが良いでしょう。
さらにウエストベルトにポケットが付いていると、カメラ、携帯電話、補給食など頻繁に使いたい物をバックパックを下ろさずに出し入れできるので便利です。
トレイルランニング用のバックパックは上記の条件を満たしている上、ハイドレーションにも対応しているので最適です。
行動時間が短いなど荷物が少ない場合はウエストバックでも構いません。 - 時計
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日没までに下山するのが基本ですし、時間を知る事は重要です。
防水のものを用いましょう。
GPSや心拍計の機能があるものがトレイルランニングでは主流となっています。 - 食料
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チョコレートやジェルなど高カロリーでコンパクトなものが便利です。
どうしても甘いものを準備しがちになりますが、飽きますし塩分補給も大切なのでおにぎりなども良いかと思います。
しかしながら、バックパックの容量が許すのならば食べたい物が一番です。 - 水
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食料同様、水もなくなると計画の変更、中止を余儀なくされるのでどのくらいの量を持っていくのか熟考しましょう。
量が多すぎると重くなって走りづらいのでバランスが大切です。
途中給水できる場所があるかどうかでも持つ量は変わります。
また、トレイルランニングではハイドレーションが主流となっています。
ハイドレーションは走りながらでも楽に給水できる反面、残量の把握が難しいので注意が必要です。
もちろんペットボトルなどを用いても構いません。 - 地図・コンパス
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現在地の把握や、迷った時の為に地図は必要です。
トレッキング用の地図がある場合、コースタイムが記載されているものが多いので便利です。 - ライト
- 万が一、日没までに下山出来ないと困るのでライトは念の為携行しましょう。
- ファーストエイドキッド
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絆創膏やテーピングテープ、消毒液など最低限の応急処置ができるものを用意しましょう。
エマージェンシーブランケット(サバイバルシート)なども一緒に準備すると良いでしょう。 - 現金・携帯電話
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予定変更の際にタクシーを使う場合や、スキー場のリフトを使う場合も考えられるので幾らかのお金は非常時のために持っていたほうが安心です。
携帯電話も非常時の連絡手段として必携です。
しかし圏外の場合も多々あるので、依存しすぎないようにしましょう。 - 他にあったら良いもの
- カメラ、ストック(先端にゴムキャップが付いているもの)、日焼け止めなど荷物が重くなりすぎない程度に各々で自然を楽しめるものをどうぞ。
マナーと注意点
■あいさつと譲り合い
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- 山で人と出会ったら、自分から明るくあいさつを。これは、登山、トレイルランに関わらず共通のマナーです。また、狭い登山道では思いやりの心で譲り合って交差しましょう。
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- 登山者、ハイカーを後方から追い越すときは、早めに声をかけましょう。突然すぐ後ろで声をかけられたり、足音が聞こえたりするととても驚きます。熊出没の有無にかかわらず熊鈴をつけるのもいいでしょう。鈴の音があなたの存在を知らせてくれます。熊鈴は“人鈴”でもあるのです。
■自然保護
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- 自然はとてもデリケートです。できるだけ野生動植物への影響が少なるように配慮する必要があります。登山道を外れて植物を踏んで走ったり、立入禁止エリアに入ったりすることがないようにしましょう。
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- ゴミは全量持ち帰るのが原則です。ポイ捨てするつもりがなくても、行動中に補給した食料やサプリメントの包装は、不用意にポケットに入れておくと途中で落としてしまう場合があるので、ザックにしまうなど特に注意しましょう。
■安全確保と自己責任
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- トレイルランは大自然をステージとするアウトドアスポーツですから、事故やケガには特に注意が必要です。また、山岳エリアに入る場合は、地図(地形図)を読み取る能力も必要となります。必ず地図を携行し、事前にルートを確認したうえで無理のない行動計画をたててからスタートしましょう。
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- 山岳では予想以上に天気が急変します。ときには激しい雨や突風、雷が突然やってくる場合もあります。気象情報をしっかり確認し、気温や天候の変化に対応できるよう準備しておきましょう。
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- 万が一ケガや体調不良に見舞われたときでも、できるだけ自分で安全な場所まで移動できるよう、ファーストエイドキットや薬は常備し、事前にエスケイプルートを確認しておきましょう。